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甲斐 「……で?お前まで見舞いに来るなんて……何の用だ?」
シャクシャクと果物を食べながら話す。
八雲 「冬休みに入ったんだからスキーしに行こうと思うんだが。」
加奈子 「お。いいね~。」
甲斐 「パス。」
八雲 「資金は生徒会費から抜き取ったんだ。」
甲斐 「な!?」
八雲 「研修会って事にしてるからな。一応生徒会長の同伴が必要だ。」
甲斐 「お前な……腹黒さが変わっとらん……。」
呆れる甲斐。
当然の反応だが。
八雲 「足りない費用は水乃に頼んだ。」
加奈子 「何してんの!?」
八雲 「いや、本人は喜んでたけどな。」
……ああ。
遊び足りない子だった……。
八雲 「ロッジは俺の知り合いが経営してて半額にしてくれたし……。」
甲斐 「時々……お前の人脈が理解できないんだが。」
加奈子 「私も……。」
広すぎる。
あの世にもパイプ持ってるし。
甲斐 「仕方ない……付き合ってやるよ。」
加奈子 「で、いつ?」
八雲 「明日。」
加奈子 「明日ァ!?」
甲斐 「ずいぶんと急な……。」
甲斐は退院早々に連れて行かれるのか。
ちょっと可哀想だな。
八雲 「もう限られた時間しか無いからな。悠長にしてたら百年なんてあっという間だ。」
甲斐 「スマン……お前の時間感覚に付いて行けん……。」
それが普通です。
八雲 「楽しめる時に楽しまないとな。」
八雲の表情はイキイキしている。
よほど楽しいのだろう。
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