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ハル 「なんか……賑やかだね。」
二人がジュースを抱えて帰還した。
凪ちゃんが走ってるし……病室が個室なのが助かった。
沙羅 「賑やかな方がいいじゃん。あ、これ誰がむいたの?」
皿に盛られた果物をつまみながら聞く。
加奈子 「私だけど……。」
沙羅 「へぇ~。意外と器用なんだね。」
加奈子 「ウチは小学生の時から料理は私の仕事だからね。母さんは……アレだし……。」
思い出したら……胃がちょっと痛くなってきた。
沙羅 「ふぅん……。で、霞くんが来るのも珍しい。」
八雲 「ええ。ちょっとスキーのお誘いに。」
ちなみにノーマル時の沙羅さんには敬語である。
もちろんハルさんも。
設定上は先輩だからね。
沙羅 「スキーかぁ……やった事ないんだよな……。」
ハル 「私は何回かあるよ。まあ、上手なワケじゃないけど。」
甲斐 「ちなみに俺達三人は強制参加らしいぞ。生徒会費からパクッて……」
八雲 「研修会なんで。」
甲斐の言葉を遮った。
何とも言えない表情の甲斐。
ハル 「私は別にいいよ。どうせヒマだし。」
八雲 「じゃあ朝6時に駅に集合というコトで。」
沙羅 「いつの?」
加奈子 「……明日……らしいですけど。」
沙羅 「うん。分かった。」
ハル 「えっ!?」
予想外な順応の早さだ。
ハル 「ずいぶん急な話だね……。」
八雲 「ハイ。」
甲斐 「そういう事だから行くなら早めに帰った方がいいぞ。」
モシャモシャと凪ちゃん達が持って来ていたカステラを食べる。
ちなみに犬神印の市販されてないヤツだ。
ハル 「甲斐も行くんだよね?」
甲斐 「ああ。」
ハル 「じゃあ……せっかくだし行こっかな。」
加奈子 「なんだか……胸騒ぎがする。」
八雲 「あ、言い忘れてたけど二泊三日だから。」
甲斐 「忘れんなよ……そんなこと……。」
ここで気付くべきだった。
八雲が普通のロッジを予約するワケが無いという事を。
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