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家に帰り着替えを済ませると、天敵に何を奢られたか激しく気になった。
何だろう?袋に手を伸ばす。まず手に当たったのは紙。それを取りだし見てみると書かれていた文章が目に飛び込む。
━これ飲んで大きくなれよ♪━
牛乳だった。
ふざけやがって!
紙をクシャリと握りしめる。
確かに身長は低い。認める、だがこの仕打ちはあんまりだ!
鏡を見る。そこに映るのは自分の姿。
小さな体に長い髪、身長148を誤魔化すために伸ばした髪ももうすぐ腰まで到達した。しかし…誤魔化すどころか目立ってしまい逆効果、さらに何故か愛着わいたために切る気になれず現在にいたる。
ため息1つ、夕飯を取るためにテーブルに着いた。
テレビをつけてゴールデンタイムのアニメを見ながらサラダをつつく。こうした毎日を過ごしながら日々あたしは生きていた。
あたしも微々たるながら目標はあった。どんな形でもいい、普通に生きてみたい。別に話せないだけ、自分にはそう言い聞かせながらこの22年間を生きてきた。
人はみな助け合いながら生きている。でもあたしはその輪から抜け落ち、助けてもらいながら生きている、だからこそ実家を飛び出し今、ここにいるのだが、どうも…あまり自分的には納得できていない、自分のこの話せないという現実には向き合っているつもり、でも…どこかやはり皆と同じがいいという望みに手を伸ばす自分がいた。
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