100円老婆 VS 帰宅途中の僕

1/1
前へ
/9ページ
次へ

100円老婆 VS 帰宅途中の僕

帰宅途中の事。 夜、地元の駅に降り立ち、駐車場まで薄暗い路地を歩いていました。 すると、向こうから誰か歩いて来る。よく見たら、老婆が一人。 「こんな時間に、珍しいな。散歩かな?」 とだけ思い、特に気にしないまま、歩いて行った。 目の前まで来て、一瞬目が合うと、すれ違い様に声をかけられた。 老婆「お兄さん、ちょっといい?」 トモノリ「…はい。なんでしょうか?」 老婆「さっき、ペットボトルを買ったんやけど、帰りのバス代足りなくなってん。悪いけど、100円でいいし、このペットボトル買ってくれへんやろか?」 「あらら…、それは不憫だな」 と、素直に思ってしまい トモノリ「あっー、そうでしたか。…まぁ、いいですよ。」 そえ答えて、100円とペットボトルを交換した。 老婆「ありがとう、お兄さん。よかったら、もう100円…」 と言いだしたので、流石に不審に思い、 トモノリ「ありません!!」 と言ってその場を去りました。 その直後、おかしな点に気付く。 ①夜も遅いので、バスはもう出ていない。 ②ペットボトルを買ったばかりにしては、すっかりぬるくなっている。 ③ペットボトルの中身が、カフェオレ。老婆が飲むには似合わない。いつ、どこで買ったんだ?? 怪しさ爆発っ!! ペットボトルは、即刻捨てました。 数日後、同じ場所、同じ時間に、あの老婆の姿が。 老婆「お兄さん、ちょっといいかな?」 また声をかけて来て… 「ありません!!」 と言い残して、ダッシュで逃げました。 カフェオレを手に握りしめた、老婆を残して…。 怖っ!!!
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加