呪いの部屋

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「安すぎる物件には、よくある話だからな」 少年の坊主頭から目を離すと友人は言った。 「もう、あの家から引っ越した方が良い。あした不動産屋に行こう」 この言葉に、少年はゆっくりと頷いた。もう、あの家には戻りたくない。 「まぁ今日は、もう寝よう。その前に、シャワーでも浴びたらどうだ」 友人は言った。よほど死に物狂いで走って来たのだろう。少年は汗だくだった。 「ありがとう。そうするよ…」 そう言うと、少年は立ち上がって上着を脱いだ。 その少年の裸を見て、友人はギョッとした。 「お前…!」 そして、少年を指差すとこう言った。 「むっちゃ毛深いな」 まるでジャングルだ。
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