命

家族

子猫…男の子だった。尻尾の長い黒と白のゴマ虎猫。まだ生後半年に満たない感じだった。
とにかく、子猫を拾ってからは忙しかった。
まずは、餌！
これは、幸い猫缶好きな我が家の犬の餌があり、助かった。
次に、猫洗い！
ノミだらけでは、家のなかがどうしようもない。とりあえず、餌を食べさせて落ち着いた頃合いを見てお風呂場でシャンプー。
細い身体の子猫が洗われて毛がぺしゃんこになると、か細さが一層際立った。本当に華奢だった。それに非常に弱々しい。
捨てられて四日間、よく身体が保ったものだと思った。それほどか細く、子猫特有の元気さが無かった…。
でもそれだけに、絶対に家で元気を回復させて、幸せを感じさせてあげたいと思った。縁あり家族になったのだから。

捨てられてさぞ不安な日々だったろう。
怖かったろう。
そんな哀しい思いを一日も早く忘れて安心して欲しかった。

ペットショップに駆け付け、猫餌と猫グッズを買った。これは結構楽しい買い物だった。家族が増えるって、嬉しい事だと思った。