404人が本棚に入れています
本棚に追加
廊下ですれ違うたび、何度も挨拶をしようと思うが恥ずかしくて挨拶もできず
ただ遠くから見ることしかできなかった。
いつも笑っている笑顔を見て目で追いかけているうちに、どんどん好きになっていった。
ある日の放課後
未来は友達と廊下で会話をしながら歩いていた。
そのとき彼が友達と帰ろうとして下駄箱にいるのが見えた。
とっさに未来は走って教室に向かった。
そう、さりげなく偶然を装い「バイバイ」と声をかけようと。
教室までダッシュしてカバンをとった。友達も未来のあとをついてくる。
走りながらこの作戦の理由を友達に伝える。
息を切らし急いだ。
校門をでて彼のそばまできたとき、走ったのをバレないように深呼吸もしてゆっくり歩いた。
近くを歩いているのにやっぱりいざとなると何も話せなくなった未来。
そのとき彼の友達が声をかけてきた。
「二人とも帰り?」
誰かわからないし黙ってしまう未来。それに対して友達が返事をしてくれた。
「ううん、ジュースを買いに‥ねっ、未来?」
本当はジュースを買いに学校をでたんでもなく、帰りの方向も真逆‥動揺しながらも未来は「うん、家は反対方向だから‥ジュース買いに‥」
(本当は彼と話したいだけなのに!)
なんて思っていた。
彼と未来は黙ったまま。そして少ししたとき彼達はチャリにまたぎ、
「じゃあ!」と言ってチャリをこぎだした。
(またダメだったかぁ‥)なんて思っていたら
「またね!」という声が。
パッと顔を上げてみてみると彼がこちらをみて笑顔で手をふってくれた。
ビックリしながらも「うん、バイバイ!」と返事をした。
これが初めて交わした会話だった。
ドキドキだった。
明日は自分から話しかけてみよう、と強く思った。
最初のコメントを投稿しよう!