序章

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「亮!」 亮に近付くなり名前を叫ぶ。これは早く伝えねーと気が済まねぇ。 「な、なんだ!?」 「なんだじゃねー!…仲村かなり怪しいじゃねーか!確実に俺のポジション奪おうとしてやがる!」 台詞の内容に面喰らったが、次に呆れた声でこう言った。 「なんで怪しいんだよ」 「それだけどな…アイツ、なんか意味深なこと言ったんだよ、ブロードによろしく、ってよ」 俺が報告を伝えるとき、亮はブロードという単語に反応した。 「そのブロードってのに心当たりは?」 「ないね」 そう、と亮は味気なく言った。 どうしたんだ?もしかして、……何か知ってる? 「なあ、亮、」 俺の言葉を遮るように休み時間終了のチャイムがなる。 大丈夫、訊くチャンスはいくらでもある。
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