序章

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俺は“日野戒貴”として生まれたことを誇りに思っている。 そりゃあ、色々あったさ。 殺されそうになったりとか。 だけど、そんなことで“日野戒貴”を否定なんて出来ない、出来るわけない。 もう一度、言う。俺は“日野戒貴”として生まれたことを誇りに思っている。 運命の始まりとでも言うのだろうか。2007年6月15日、金曜日。その日に歯車は動き出した。それも、巨大な、歯車。 「転入生?ホントかそれ。全然情報入ってきてねぇぞ」 友人からもたらされた意外な情報に耳を疑う。 当たり前だ、転入生とかいう情報は少なくとも数日前に漏れている。 それが今日情報が入りしかも今日転入するとのことだ。クラスや学年の情報通も知らなかったらしい。 「戒貴ぃ、男か女、どっちがいいかあ?」 再び聞こえた声の主の友人は先ほどとは打って代わってかなりニヤけた表情をしている。かなりムカつく。
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