8人が本棚に入れています
本棚に追加
いつもは担任の先生が来たからと言って、皆席に着くのは数分経ってからだ。
しかし今日は転入生が来るからか全員席についていた。
「さぁ、入って!」
先生の合図でもとから開いていた出入り口から、制服を着た見慣れない男子生徒が入ってきた。
あの子イケメンじゃない?
うわアイツカッケー!
など、周りの生徒のコソコソ話す声が耳に入る。確かに今目の前にいる男は一般的にハンサムとか格好いい部類。男である俺からしても十分に分かった。
そして担任が黒板に彼の名前を書き終えると彼に自己紹介を促す。
「仲村 戒斗(ナカムラ カイト)です。宜しくお願いします」
有りがちなシンプルな挨拶をし、お辞儀をする。
俺の席は最前列真ん中の2列の左側。
彼との距離はかなり近い。
だからか、仲村が顔を上げるとき目があった。いや単に目があっただけではない。
睨まれた。一瞬。
仲村はあらかじめ用意されていた席に案内され席に座った。
朝のホームルームが終わり、休み時間に突入。途端に仲村のところに人だかりが出来る。
転入生恒例の質問攻めというとこだ。
「アイツモテるだろうなあ~!なかなかのイケメンじゃないか?」
亮がニヤついた顔で俺の方を向く。実に憎たらしい。
最初のコメントを投稿しよう!