事実……

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……!!!!?   僕は目を疑った……   侍女が、振り上げた一直線上……   つまり、向こう側の木すべてに切れ目が入り……   刀がとどかない距離の木までも、斬り倒したのだ……   ………………………   なんて奴だ……   完全に殺す気じゃないか……   それに……   なんだ、あれは……   力などではない……   あれは……   ……能力?   侍女はコチラを向き、かまえた……   「空間居合い……」   まずいっ!   まだ準備ができていない……   それに、同じ技で来るとも限らない……   殺される……   「そこまで……   やりすぎだ……」   木の上にいたはずのシロが……   いつも間にか、僕と侍女の間に立ちふさがっていた……   シロは、侍女をにらむ……   侍女も引かない……   沈黙が流れる……   ………………………   「わかったよ   しまえばいいんだろ?」   侍女は刀をしまい、僕をみて   「それにしても、どうした?……   いつものお前なら、力を使って、俺の刀を止めただろうに……」   と、言ってきた……   力……?   シロの言っていた、《とどめる力》のことだろうか……   僕が考えていたので、シロがかわりに答えた……   「実はな……」   バタッ!    ……?   「クロ?……おい、クロ!」   シロの声が聞こえる……   しかし、僕は立ち上がることができず、気絶してしまった……
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