一人と一匹暮らし

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鮭とほうれん草のクリームスバゲッティだとか、トマトとアボガドのサラダだとか、コンソメスープだとかをテーブルに並べ、ワインをあける。 まやちゃんはこのうえなく美味しそうに食べ、飲んだ。 もちろん、あたしもお相伴にあずかる。       「なお、美味しい?」       美味しいに決まってるじゃない。 まやちゃんは本当に料理が上手ね。       「鈴村さんも馬鹿よね。もう、私の手料理が食べられないんだから」       本当よね。 まやちゃんの料理は最高なのに。       「今思えば、鈴村さんって私の好みの顔じゃなかったのよね。優しい人ではあったけど」       男は優しいだけじゃダメよ。       「お腹も少しでてたし」       足も短かったしね。       「あぁ、でも体の相性はよかったのよね」       何言ってるの、まやちゃん。 あんな万年発情期のどこがいいのよ。 盛のついた猫よりたちが悪いわ。 あんなのケダモノよ。   余談だけど、あたしは“盛のついた猫”って表現がすごく嫌い。 盛がつかない猫だっているのよ? ベランダでお昼寝してたら、オス猫が急に腰を押さえ付けてきた時のあの恐怖! 思い出しただけで吐き気がするわ! なんで皆平気なのかしら。  
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