接し方がわからない!

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わからなくなってしまった。 鷹は、ひょんな事から宿木が女の子だと知ったのだ。 突然の事に戸惑ってはいる。 といっても、宿木の事で『騙された』とか『女の子だから』等の不快を表す感情は無い。 鷹にとって、烏丸 宿木という人物はかけがえのない親友であるのだ。 ……あるのだが、困っている。 宿木にいままで通り接していいのか? というか、鷹はいままで宿木を小突いた事がある。 女の子に手をあげた。 いやいやそれよりも、以前宿木と他2名が鷹の家に遊びに来た事がある。 その時、鷹は宿木と1つ屋根の下……つか同じ部屋で隣同士で寝た思い出がある。 やましい気持ちが無かったにせよ、いま思えばとんでもない。 つまり、どこまでいままでと同じように接するべきか鷹は悩んでいた。 突っ伏した体勢で、鷹は腕の隙間から隣りの宿木を盗み見た。もの凄い涙目でこちらを見ている。 多分、宿木は勘違いしている。 その誤解を解く為にも、鷹は早く解決してしまいたいのだが、未だ解決の兆しはみえない。 鷹を助けるように、朝の鐘が学院中に響き渡った。
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