接し方がわからない!

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宿木は隣りの鷹を盗み見た。 大空 鷹とは、自分にとって初めての親友で、自分を変えてくれた大切な人。 ただ何故か最近冷たい。 この前の事件で宿木は人質にされたうえに、操られてたとはいえ、親友である鷹を傷つけてしまった。 そんな最低な行為に沈みきっていたが、鷹は翌日の朝に笑ってふっとばした。 それが彼であり、彼らしい。 だが冷たい。最近、明らかに避けられている。 前回の事を許してはくれたが、弱い自分に愛想が尽きてしまったのではないか。 そんな考えが脳裏に浮かび、体が震えるのに気付いた。 そんな事になったら、多分自分は立ち直れない。 このままならまだ良いが、面と向かって『嫌い』などと言われようものならば耐えられない。 怖くて聞けない、自分を避ける訳を。それで残るのは、自分を避ける大切な人の姿。 胸が、締め付けられた。
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