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「ただ……何よ?」
「いや、その……うーん」
黙りこむ野木。
うざったいので、私はおあずけになっていたケーキに手をつけた。
(ん…美味い!)
左手を頬にあてる私。
この後、目の前にいるはずの彼氏に、「すっごく美味しい!」って言いながら頬笑むはずだったのに……。
「それだよ、それ!!」
「んぐっ!」
突然、野木が私の手を握ってきた。
何すんだこの野郎、危うく吹き出すとこだったじゃんか。
「げほっ……何、いきなり」
「今猫かぶっただろ?!」
「は?」
「だから、今目の前に彼氏がいる時と同じように、ケーキ食べただろ?!」
…なんでこいつ、そんな事わかるんだ。
アレか、私が女の子っぽい事するのは似合わないっていう、嬉しくないイメージ付けか。
「意味不明なんだけど」
「なぁ!猫かぶったよな?!」
「ああもう、しつこい!かぶったからって何よ?!私の勝手でしょ?!」
自分を可愛くみせようとして、何が悪い。
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