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「…リリーは確かに好きだった」
「…過去形?」
「うん。もう死んじゃったからさ」
「………ふぅん」
だからリリーに似た私を、代わりにしようとでも?
「私はリリーの代わりなんてごめんだよ」
「違う!代わりとか、そんなんじゃなくて――……って、果穂、もしかしてリリーに妬いてる…?」
「はぁ?!」
何故そうなる。
そして何故こいつは、そういう恥ずかしい事をすぐ口にするんだ?!
私とは違う。
正反対だ。
こいつは、猫をかぶらない。
……ってなんでしんみりしてんだ、私!
「…猫に妬くわけないじゃん」
「照れてるなぁ~?」
「馬鹿じゃないの?もう付き合ってられない。ケーキご馳走さま!!」
「わ!ちょ、ちょっと待って!!」
立ち上がった私の腕を、野木は両手で掴んだ。
そして、一度深く深呼吸をすると――…
「俺!本気で好きです!付き合ってほしいっす!!」
と、頭を下げた。
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