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「……あのねぇ――…」
「別に、今すぐ恋人同士になろうとか、思ってないから!その、だからせめて……隣人から友達に昇格してくれないっすかね?」
……ああ、調子が狂う。
なんて強引な奴なんだ。
友達…か。
それを断るほど、私は冷徹な人間ではないと思っている。
「…別にいいよ。友達くらい」
「マジで?!マジで?!」
「煩い、二度も言わせるな」
「~~~っ!やったぁあ!!!」
野木の馬鹿でかい声とともに、店の奥からわらわらと人が出てきた。
「やったなぁ、野木!」
「悠くん、よかったねぇえ!!」
「ありがとう、みんな、ありがとう!!」
(何なんだこいつら……)
ワッと拍手歓声が起こり、賑やかになる店内。
つい先程までは、嫌悪感で充満していたのに――……
他に客もいないので、それから店はプチパーティー状態だった。
野木は相変わらず煩いし、野木の師匠だという店長がやたらと絡んできてうざかったものの……
美味しいケーキを、たらふくご馳走してもらったので、よしとしよう。
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