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地響きがして、目が覚めた。
「今度は何?」
振動と同時に、ヘッドフォンを外さなくても聞こえる、力強くドアを叩く音がする。
時計を見ると、すでに昼過ぎだった。
「力加減知らない奴だな……壁の砂落ちるじゃんか」
ちなみに、このアパートにはチャイムとやらが付いていない。
「…大家かぁ?朝の騒音の詫びでも言いにきたのかね」
髪はボッサボサだし、寝巻だけど。
大家ならいっか。
未だに続くドアのノックにため息をついて、私は玄関に向かった。
「はいはい、今開けますよー。…ったく、毎回毎回、自分のアパート潰す気かっての」
収まりの悪いドアを開ける。
それと同時に、威勢のいい声が聞こえた。
「こんちは~!」
「…………え」
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