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その日は雨が降っていた…
ザーッザーッ
外はどしゃ降りでこんななか誰も屋外にいるはずがないのに彼女はそこにいた
「アスカ……こんなとこにいたのか…」
森からあらわれたのは銀色の毛並みの大きな狼だった
アスカと呼ばれた少女は振り返ると狼に微笑んだ
「なんだ…白狼……私にようか?」
白狼(はくろう)と呼ばれた狼はアスカの横に行き彼女を見上げた
「あれはお前のせいじゃねぇ
お前が責任を感じる必要はねぇんだ
あれはじ…「うるさいっ!」」
白狼の言葉をさえぎるかのようにアスカはさけび
「あの子は私のせいで死んだんだ……私が……私があの子を殺したんだ…」
空を見上げる彼女の目は赤く腫れ上がり泣いていた事がうかがえる
「あのこの居ないここにはいたくない……思い出すから……」
「ならここをでてどこへ行くんだ?」
白狼はじっとアスカを見つめて次の言葉をまつ
「私を知る人が誰も居ないところへ……ふっ心配するな…お前たちは連れていく」
背中の翼を広げ軽く羽ばたかせる
「お前が嫌だと言っても俺たちはお前についていく」
ニヤリと笑うと白狼の姿が揺れてそこには20ぐらいの銀色の髪が印象的な青年が立っている
「あぁっありがとう……では…行こう……」
アスカと白狼を淡い光が包み少しずつ光が強くなり一瞬周りが見えなくなるほど輝くとそこには誰の姿も見えなくなる
こうしてアスカはそこから消えた……彼女が15の春だった
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