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「いらっしゃいっいらっしゃい♪
今日は生きの良いのがはいってるよぉっ!」
「新鮮とれたて果物はいかがぁ?」
二人(片方は狼)はその後街の大通りのようなところに来ていた
「活気があっていいな…ちゃんと治安も安定している証拠だ」
アスカはフードを目深に被って傍らに白い狼なんて連れて歩いているため周りから奇異の視線を向けられていた
「(おいっ、フードはずした方がいいんじゃねぇのか?)」
「(いやっ、外しても変わらないだろうならこのままの方がいい)」
二人はまわりに分からないようにお互いの意識に直接語りかけあった
「ちょいとそこの人」
「すまない、私のことか?」
途中少しかっぷくのいいおばさんによびとめられてアスカは立ち止まった
「そーだよ、あんただよぉっ♪
あんた、旅芸人かなんかかい?」
「あぁっ、いま地方を旅している
だがなぜそう思ったんだ?」
アスカは不思議そうに首をかしげる
「だってあんたのそれかなりくたびれてるじゃないさぁ
どうだい?こいつ買わないかい?」
そういいながらおばさんが差し出したのは白いローブだった
見た感じは上質そうな絹かなにかに似ていた
「なかなか上質な物だな……すまないが手にとっても構わないだろうか?」
「もちろんだよ、どうだい?
ここまで良いのはめったにないよぉっ?
ちょいとまけるから買っていきなよ」
なかなか商売上手らしく色々言って売り込んできた
確かにおばさんの言うとおりさわり心地はシルクのように柔らかいが案外丈夫そうで破けにくいようだった
「これはなんという繊維だ?
あまりみかけたことがないが…」
「これは砂虫の糸だよ
ここいらじゃなかなかてにはいらないし加工もできないからねぇ」
「砂虫?はじめて聞くが…そんなに高いなら手は出せないな…」
「そうだねぇ…金貨7枚に銀貨2枚ってとこだね」
金貨は約一万銀貨は約千円銅貨は約百円にそれぞれ換算できる
「ふむ…少し高いな…いま手元にないが変わりにこれではダメだろうか?」
そう言いながら腰袋からビーダマ程の透き通った宝石のようなものを出した
「なんだいこりゃ?
子供のおもちゃなんかじゃ売れないねぇ
金がないならとっととどっかいっとくれ」
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