⛄消せない冬⛄

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あの日以来、良牙と連絡がとれなくなった。 携帯は繋がらず、家の電話は留守電にもならずに呼び出し音がなるだけ。 麻衣はいろんな理由を考えた。   『携帯壊しちゃったのかな…』   『就活忙しくて、私をかまえなくなっちゃったかな…』   『新しい彼女が出来たのかな…』   『気が変わっちゃったかな…』   どんな理由を考えても、あの電話の後会えなかった理由としては納得出来ないものだった。 麻衣の部屋には、良牙の着替えやタオル類があって、いつ来ても良いように綺麗にたたんである。   昨日は落ち込み… 今日は空元気… 明日は… 日にちばかりが過ぎてゆく…                         一週間音信不通が続いたある日、麻衣の携帯電話に見覚えのない着信履歴が残っていた。 麻衣は慌ててかけ直す。   『りょーちゃんだっ‼絶対そうだっ‼やっぱり携帯壊しちゃったんだなぁ~』   着信履歴を表示し通話ボタンを押す手が震える… プルルルル…プルルルル… プルルルル…プルルルル… 『はぃ』   電話口に出たのは女性だった。 麻衣はすっかり良牙だと思い込んでいたので、落胆した。   『…あっ…えっとー…私の携帯に着信履歴が残っていたので…』   そう麻衣が言うと、電話口の女性が驚いた様な声で言う。   『あなたっ‼及川麻衣さんね⁉』   女性は麻衣が言葉を挟む間もなく続けた。   『聖良牙の母です。』   あまりにも突然で、麻衣は絶句した。
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