2人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
麻衣が近付くと同時に良牙は麻衣に向き直し、2人はハタと向き合った。
『麻衣ちゃん…俺の事友達としか思えない?』
麻衣にとって思いもよらない言葉だった。
固まる麻衣を見て良牙が続ける。
『俺を恋人として見れない?』
良牙は照れながらも、だけどハッキリ麻衣を見つめて言った。
麻衣はただただ恥ずかしくなって、言葉が出ない。
『麻衣ちゃんと恋人になりたい』
良牙の真っ直ぐな告白だった。
少しの沈黙の後、麻衣は深く頷き
『よろしくお願いします』
っと震えた声で答えた。
『本当?本当に?』
良牙は麻衣の真っ赤な顔を覗き込んで確かめる。
『うん…私も嬉しい🎵』
良牙は力いっぱいガッツポーズをして
『やったぁ‼』
っと子供のように喜んだ。
それから2人はよりそって、また1つ電車を乗り過ごし、触る程度のほんの小さなキスを何度も交わした。
2人の肩も、手も、唇も小さく震えていて、クスクス笑いがもれる。
駅のホーム
真冬の夜
2人のベンチには暖かい火が灯った。
最初のコメントを投稿しよう!