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「いっっったー!!!」
『みゃーっ!』
「‥ねぇ、にゃんこ。
怖いのは分かるけど、このままだったら雪の中で凍死するよ?
だから、俺と一緒に行こう?
ね、猫ちゃん?」
『にゃーっ!』
寒さに凍える小さな体を抱き上げようと差し出した手を、また引っ掻かれそうになり、慌てて引っ込めた。
抱き上げたいけど、引っ掻かれるのが恐くて手が出せない。
「どうしよぉ…」
『みゃー』
このまま雪の中に放っておくのは可哀相過ぎる
でも抱き上げられないから、連れていけない
「とりあえず研究所行って、相談するか…」
きっとあの人なら、何か良い方法を考えてくれるだろう。
「にゃんこ、また来るからな?」
『みゃあ?』
「待っててね?」
不思議そうに俺を見上げる子猫をおいたまま、急いで研究所に向かった。
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