806人が本棚に入れています
本棚に追加
亮side#
「遅いなぁ…
アイツ、何やってんねんやろ?」
家の離れに作った研究所
今はそこで、動物の言葉について研究してる。
今度、何百人もの研究者が集まる学会で発表せなアカンから必死。
その学会が今後の俺の研究人生を左右すると言っても過言ではないくらい大きいものやから。
「あぁ~腹立つ!」
なかなか上手く研究が進まんくてイライラする上に、恋人がいつもの時間になっても来おへん。
だから、よりいっそうイライラ。
むしゃくしゃして煙草を吸っていると、コンコンッと扉を叩く音が鳴って恋人が部屋に入ってきた。
「亮ちゃんっ!!」
「遅い、ピィ!何しとってん?」
「そこの公園に子猫がいたんだ!
雪の中で凍えてて‥‥連れてきたかったんだけど、すごい怯えてたから抱けなくて。
どうしよ、亮ちゃん?」
「あぁー…その机の上にピンクの錠剤あるやろ?
それ、動物用の軽い麻酔薬やから食べ物に混ぜて食べさし。
猫が落ち着いたら、ここに連れてくるねんで」
「分かった!」
ガサッと薬を掴む音がして、ピィが走り去るのが分かった。
最初のコメントを投稿しよう!