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小さな文具点で俺は花柄やパステルカラーの手紙を物色していた。
「……二階堂?」
笹島はあきれ顔でたちつくしていた。
「笹島!お前お姉さんいるだろ?女の子ってどんなのが好きなんだ?
やっぱりピンクかな…」
「お前、はたからみたらおかまみたいだぞ」
「いーから教えろよ。お姉さんは何もらったら喜ぶんだ?」
笹島はあたまをぽりぽりかきながら妙な顔をしたひよこの手紙を選んだ。
「ぴよきち、はやってるらしいぜこのキャラ。
泣き虫女も好きなんじゃねーか?」
!
どうやらばればれだったみたいだ。
「それにしても修行さぼっていきなり手紙か?どういう風の吹き回しだ。」
「ああ………あの声、俺のせいだったんだ。
…………はやく強くなって帰りたかったから必死になって、全然連絡しなくって…不安にさせてたらしい。」
影を落としたのを感じたのか笹島は黙ってシールを選びはじめた。
「この香りつきのシール、姉貴がすっごい欲しがってた。ラッピングして贈ってやれよ。
可愛いレターセットもいっしょに贈れば返事もくるぜ?」
にししっと笹島が笑うと俺の背中を力一杯はたいた。
「いってぇ!!なにすんだよっ」
「のろけやがって。さっさと手紙だしちまえよ!!もちろん修行で油断してたらすぐにぶったおしてやるからな!」
「お前なんかに倒されるかよ、ちーび。」
笹島が顔を真っ赤にして暴れ回ったせいで、レターコーナーの棚が全部倒れた。
店のひとには平謝りするわ、父さんにはどつかれるわ…散々だったけど
それも手紙のねたにしてこすずに送った。
手紙の向こうで笑うこすずを想像して
笹島にからかわれながら
また修行の日々に戻った。
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