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目を閉じて、無抵抗によこたわるこすずのひたいにおれはちいさく三角を描いた。
「公園にちかづいちゃだめ。
ユカちゃんなんてしらない、忘れて。
苦しいんでしょ?
そんなこ忘れちゃいなよ・・・ユカちゃんなんてさ。
大丈夫、ちかづかなきゃ苦しくないよ。」
これは軽い催眠みたいなものだがこすずは感覚がせんさいですぐに効いてしまう。
悪用されなきゃいいが・・・
ぱちん
指を鳴らしてこすずを正気に戻した。
あと何回、こすずは苦しむんだろう。
あと何回、こすずの記憶をいじるんだろう。
起き上がったこすずの目をじっと見ていたらこすずが恥ずかしそうに笑った。
「わたしまたシンヤのいえでねちゃったの?」
この笑顔がなくなるなら
「シンヤっていつもおきるまでそばにいてくれるよね?
なんで??」
この笑顔が歪む記憶なんて・・・いらないに決まってる。
おれは、正しい。
おれはぎこちなく笑うとこすずのあたまをそっと撫でた。
「ねがおをみたいからだよ。」
大丈夫。
おれは 間違ってない。
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