まどろむ過去

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二人は孤児だった。同じ日に同じ施設に捨てられ、保護された。 少女は乳飲み子、少年はやっと言葉を覚えたぐらい。自分の名前を言うのが精一杯で、それ以上は分からなかった。 彼等を取り巻く環境は決して良好とは言えず、常に身を寄せあって生きてきた。 まるで、本当の兄弟のように…。 少女は少年を兄のように慕い、少年は少女を妹のように護っていた。いつまでもそれが続くと思っていた。
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