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電車はどんどん速度を落とし、車窓からは終点の駅が蒼い海に浮かぶようにひっそりとたたずんでいた。
(…帰って…きたんだ)
そう、思った。特によい思い出があるとは言えない、故郷とも言えないような町だった。
それでも、心の片隅ではどこか懐かしく感じるところもある。
そんな哀愁にもにた感情に気をとられていると、不意に人の気配を感じた。
不振に思い視線を車内に戻すと先程まで俺しか座っていなかつたはずのボックス席に見知らぬ男が座っていた。
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