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「あのう……。これ、何ですか?」
「何って、子猫だよ。」
いや、見ればわかるんですけど。
そんな私の心もお構いなしに、大家さんは両手で抱えた子猫をもう一度差し出す。
「はい。あなたの分。」
は?
目の前に突き付けられた茶とらの子猫は、ピンクの肉球をこちらに向けてる。
おかげで私は、『猫の足跡を、梅の足跡ていうのほんとなんだ……』とぼんやり確信していた。
「もう自分でトイレはするし、エサも一応つけてあげるから。それじゃ、よろしくね。」
大家さんはテキパキそういって、気がついたら子猫と荷物(缶詰とタオル)は私の腕に移動していた。
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