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──最初、あの方に出会ったのは薔薇がまだ綻ぶ程度しか咲いていない春の…まだ肌寒い季節でした。
午後の昼下がりだったかと存じます。
県立公園の一角にある、私の城…薔薇園に麗しいあの殿方が現れたのは。
当時、私は特に気にも止めず、洋式のゴシック調チェアの上でうたた寝をしておりました。
するとどうでしょう。
急に私の頭を撫でてきたのです。
私としたことが気を抜いておりました。
ですが、何故か初対面で馴れ馴れしい事この上ないのに厭な気はしなかったのです。
寧ろ、心地よかった。
私は両眼を緩慢と開いて、彼の殿方を見上げました。
すると「綺麗なオッドアイだね」。
薔薇や百合や牡丹も霞む程の艶やかで、且つ爽やかな笑みでした。
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