拒絶

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 「やめて。もう私に触れないで。」  「そこまで嫌いになったのかよ…!」  初めて結ばれた場所で、隆(りゅう)が声を荒げた。  こんな台詞を言わせたかったんじゃない。だが、明菜は何も言わない。  隆が無言で力一杯抱き寄せた。少し震えていたかも知れない。  抵抗もせず明菜は肩越しに窓の外を見ていた。  あの頃と同じ、小雨が降っていた―――。
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