プロローグ

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中学3年の時、俺は大スランプに陥った。打席に立てば、ボールがバットに当たらない。ピッチャーで出れば、必ず打たれる。 原因は分からない。しかし俺自身も必死に努力してもがいたのだが、変わっていくのは周囲からの冷たい態度だけだった……。 元々レギュラーでバリバリやってたわけじゃないが、控え選手としてそれなりに試合には出ていた。 しかし、スランプ以降俺の出場回数は激減し、今じゃこのザマだ。 心身ともに限界寸前だった当時の俺に、『野球を楽しむ』余裕など微塵も無かった。 何だよ………あいつら……… たかが野球で何でそんなに熱くなってんだよ……… 「バカみてぇ………」 どれくらい走っただろうか、俺が外周から帰ってくる頃にはすでに試合は終わり、部員は帰る準備をしていた。
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