記憶

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それは、綺麗な桜が舞散る4年前の春。 私は、学校は休み勝ちで、あまり外に出ないせいもあり、肌は白く、パッチリとした目が印象的な少女だった。 当時10歳の私は、この公園で、いつも一人で遊んでいた。 そんなとき、私は声をかけられる。 『ねぇ、君一人なの?』 『え?あ、うん、』 『俺と遊ぼうよ。』 彼はそう言ってにっこり笑った。 彼の笑顔は優しかった。 学校では誰も私に笑いかけてくれなかった。 ズル休み ブリッ仔 とか言われて、みんな私に意地悪をした。 可愛仔ぶってないし、ズル休みなんかじゃないのに…。 みんな、私に意地悪した、 なのに…。 なんで君は優しいの? 『俺、風雅離月って言うんだ!よろしくな!』 『…私は、翡翠李杏、』 『ひすいりあん!?すげー名前、日本人だよな?』 『日本人だよ、』 『つか、人形みたいで、可愛いな、お前。』 『…顔…近い……。』 すると彼は離れて 『あ、悪い…、』 と、すまなそうに言った。 『まぁ…、これからよろしくね。』 『おう!』 それから、彼と良く会うようになって、2年がたち、小学6年生になった時、 事件は起きた。
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