記憶

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「離月くん…」 「アンタ、ずっと『離月くん…離月くん……』って言ってたのよ…?」 阿利亜の言葉が、軽くグサリとくる…、恥ずかしい…。 「しばらく二人だけにしといて上げるからね、」 そう言って阿利亜は病室から出て行った。 …ん? 阿利亜の目が赤くなってたような気がするけど…気のせいかな? 「李杏…、大丈夫か?」 「あのね、離月くん…、私達…昔にあってるみたいなの…。」 「じゃあ…あの時の女の子は…」 「私だよ…?あの時、離月くんが撥ねられたショックで、記憶がなくなってたみたいなの…」 すると彼は私をギュッと抱き締めた…。 「俺…実は阿利亜から『李杏が倒れた。』って電話がかかって来たとき、色々お前の事考えてたら、思い出したんだ。あの時の女の子は翡翠李杏、つまり、お前だよ…。 これであの時言えなかった言葉が言える…好きだ…李杏。」 「私も好きだよ…。」 すると、彼は私を抱き上げた。 「ったく、テメーは軽すぎんだよ、もっと食え!」 「ちょっ…怖い!おろして!」 私たちが馬鹿やってる時、阿利亜が廊下で泣いてるなんて思ってもみなかった。 「余命半年なんてふざけんじゃないわよ…。」
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