記憶

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「あのな、李杏…、実は阿利亜と出会ったのも、あの公園なんだ…。」 「え?」 「俺、李杏の記憶だけ抜けてたから、あの公園に行けば…思い出すかな?って思って、手当たりしだい、女の子に声をかけてたんだ。 だから…女遊び激しいって言われてもしょうがなかった。 で、お前を見つけたとき、『生きてる?』って声をかけた理由な、お前が死んでるように見えたから…。『桜は下に埋まっている死体の血で染まっている。』って言うじゃん?お前の顔、青白いからそう見えた…。本当に死んでんじゃないか…って、心配になったんだよ…。そんなお前を見た時思ったんだ…。 まさか…もうあの子は…ってな、だから、声をかけずにはいられなかった。」 「人の顔見て死んでんじゃないかは酷くない?」 「そんで『死んでる』を女の子に重ねた俺は決定的にお前を想像の中で殺してるよな。」 私たちは笑い会った。 私は都合の良い女じゃない…。 そう分かった時、すごく嬉しかった…。 あの時、桜の下で寝てなければ一生出会えなかったんだろうなぁ… 私は運命を初めて感じた。 出会いは必ず、運命の元で起こる事…。 私は初めてそう思う事ができた。 君のおかげだよ。
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