君との出会い。

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あるよく晴れた日曜日。 私は近所の公園に一本だけある、桜の下に寝ていた。 風の音が心地良い…。 「ねぇ…、生きてる?」 そんな声が私の眠りを邪魔した。 「…ん?」 「こんな所に寝てたら風邪ひくぞ?」 「知ってる…。」 私はそう言って起き上がる。 眠いせいか、少しだけふらついた。 「大丈夫か?顔が青いぞ?」 「平気…。」 私は気付いた。 「…。(貧血…か。)」 そのままコケそうになった。 でも。 「おっと、大丈夫じゃねぇだろ?お前、なんなら家まで送るぞ?」 「……。」 私は断ろうと思ったが、無理をしたら、絶対に倒れるだろうと思い、送ってもらうことにした。 「申し訳ない…。」 「良いって、気にすんなよ、これくらい人間として当然だからな。」 「ありがとう…。」 私は今まで、こんなに優しくされた事があっただろうか…。 「そういやぁ…、お前、なんて名前だ?」 「李杏…。翡翠李杏…。」 「ひ…ひすいりあん!?日本人かよ?」 「日本人だよ…、君は?」 「俺は、風雅離月…。」 「ふうがりつき…か、 いい名前じゃん…。とりあえず、これからよろしく」 「おう…。」
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