夏の気配。

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「李杏、ごめんな、俺のせいで…、」 「離月君は悪く無いよ、だって、あの時、もし、離月君があの子を助けたとして、離月君が死んじゃってたらイヤだったから。私は足の骨一本だけだったしね!」 「馬鹿野郎!もしかしたら、お前が死んでたかも知れないんだぞ?」 「そっかぁ…、そうだよね、でもさ、 私、野郎じゃないんだなぁ…」 「…あぁ、馬鹿娘か!」 「そう!って、違ぁう!離月君の方が馬鹿でしょう!」 「だな、」 二人は久々に笑いあった。 「じゃあ、俺、なんか買ってくる、なんか欲しいのある?買ってくるよ?」 「じゃあ、オレンジジュースお願いします!」 「了解。まってろよ!」 「はーい!」 離月が病室から居なくなった時だった。 誰かが来たのは。 「ねぇ、私が誰だか分かる?」 「いえ?…どこかでお会いしましたでしょうか?」 「私ね、離月の彼女なの。だから、手を出さないでくれる?」 「そうなんですか、知らなかったです。」 李杏は傷つく素振りを見せなかった。 いや、別に傷つか無かった。 「アンタ邪魔なのぉ、消えて?」
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