7人が本棚に入れています
本棚に追加
ソイツはカッターを高く振り上げた。
相手の顔を確認しようとしたが、帽子をかぶっているため、分からない。
李杏は、もう駄目だと思い、目をつむった。
「私の李杏に、アンタ何してんの?」
そこに、誰かが現れた。
李杏は声で分かった。
「阿利亜!」
「くっ…!」
逃げようとした女の手を、阿利亜は引っ張った。
それに腹が立った女は、阿利亜にカッターを向け、
「邪魔よ!」
と、言われたが、阿利亜は動じない。
更に腹が立った女は、阿利亜にカッターを刺した、はずだった。
カッターは阿利亜の後ろに落ちた。
「痛ぁい…、」
「…!?」
「少し刺さっちゃった、」
阿利亜はそういうと、女を押さえ付けた。
「李杏、オレンジ…、って、阿利亜ー!?」
離月が帰ってきた。
「離月、あのさ、この女の、顔を確認してくれない?」
離月は恐る恐る帽子を取った。
「お前…、同じクラスの…!」
「この女がいきなり李杏にカッターで…、」
「なるほど…警察呼ぶか?」
離月はそう聞くと、李杏は答えた。
「いや、たぶんもう来るよ。」
そういうと、サイレンの音が、聞こえてきた。
最初のコメントを投稿しよう!