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「えぇ、ではまた後日」
清楚なイメージを持たせる女性が前の席を立った。
「どうする?ユキ?」
髪が長く、それをお下げにしている水色のワンピースを身にまとった女性、ユキがこちらをまじまじと見つめた。
ユキは僕の婚約者で、結婚式の打ち合わせに来ている。
「どうするって?」
「今日、御父さんに、報告しに行くのかい?
結婚式の段取りは出来たわけだし。」
「…そうね、帰りに寄りましょう」
ユキの御父さんは、私達の結婚を快く認めてくれ、自分の両親を差し置いても、真っ先に結婚の報告をすべき人物だと思っていた。
「ねぇ、考えてくれた?」
ユキは上目遣いでこちらを伺う。
学生時代、ユキのこの上目遣いにやられてしまい、ベタ惚れしてしまい、今に至ることを考えていると
「ねぇってばぁ!」
ユキに怒られてしまった。
「えぇっと…何を?」
ユキは頬を少し膨らませてまた上目遣いで睨む。
僕はこういうユキの表情が好きだった。
…付き合いはじめた当初、ロリコンではないかと噂されたのを覚えている。
同い年なのに。
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