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「なぁーまぁーえ!」
「??…あぁ、名前か」
僕達夫婦(正確には時期夫婦だが)には、今2ヶ月になる子供がいる。
まだユキのおなかの中だが、いつか元気に、一緒にあそんでやる予定だ。
結婚が決まってから妊娠しているのがわかり、少し式の日程を早めたのだ。
それのための打ち合わせのに来ていたというわけだ。
「うん、考えたよ。ユキの「ユ」に僕の「イ」でユイにしようと思う」
ありふれた名前だとも思ったが、そういうものの方が良いと思った。
へたに凝った名前をつけられても、子供も困るだろう。
「うん!良いと思うよ。」
ユキは大抵のことなら、僕の意見に賛成してくれる。
自分の人生は僕に預けてくれているらしいが、子供の名前ぐらい自らの意見も出して欲しいもんだ。
だが、ユキの本当に幸せそうな、柔らかく、ホンワリとした笑顔を見ていると、なにも言えなかった。
おそらく、同じ名前を考えていたのだろう。
お互いの頭文字二文字をとっただけの単純なものだ。
ちなみに僕の名前はイツキという。
「いきましょ?」
ユキに手を引かれ、僕は駐車場に走っていった。
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