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『そうか。よほど足に自信があるんだな』
「何が言いたい!?」
遠回しな言動に苛立ちをあらわにした。
『意味が知りたいのならチームに入れてくれ。もれなく逃走ルートがついてくるぞ』
「お前、何のつもりだ!?」
『今のお前にとって、最高の条件を提示しているつもりだが』
「てめっ……」
倉木が言い返そうとしたその時、背後で何かが動いた。
いつの間にか、帽子の男が後ろに立っていたのだ。
「あそこだ!」
「見付けた!」
男に驚いたのもつかの間、今度は工場から声が上がる。
「やばい!」
倉木は駐車場へ走り出した。
だが不思議にも、帽子の男は倉木を追おうとしない。
倉木が駐車場へ足を踏み入れたとたん、小型運搬車の影から頭に白いヘッドギアを巻いた男が現れる。
「くそ!まだ居た!」
慌てて引き返す倉木だったが、工場から走って来た二人の敵に阻まれてしまった。
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