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ギリッ
『ッ…』
ポタポタ…
真っ白なシーツに
真っ赤な染みが出来る…
私の手首からは真っ赤な血が
ジワジワ滲み出ている…
<良かった…>
ポトッ
カミソリが私の手から
すり落ちる
ドサッ
ベッドに自分の身を任せ
血が流れ出る
手首をシーツに置いた…
無傷な方の手で
自分の目を覆い被せる
<まだ、痛いって…感じる>
そんな些細な事でも
今は幸せに感じる
<私はまだ…生きてるんだ…>
たまに自分は
本当に生きてるのかと思う
何も感じないからだ…
でも今
微かに痛む左手首が…
お前はまだ生きてるぞ!
そう言っているようで
私はその行為を
幾度となくやってしまう…
右手首は、傷1つない
綺麗な手首だ…
他の子は
それが当たり前なのだろう…
でも、私にとっては
不安でしかない…
*
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