403人が本棚に入れています
本棚に追加
窓際の一番後ろの席に、さっき会った超イケメンだけど横暴な男・神哉蓮が座っていた。
神哉はあたしと目が合うと、ニヤリと笑った。
神哉の隣の席が空いている。
嫌な予感がした。
「唯碕さんはあそこの席に座って。」
嫌な予感的中。
霜田先生が示した指は、みごとに神哉の隣の席を指していた。
あたしは顔全面に「嫌だ」っていう表情を表しながら、仕方なく神哉の隣の席についた。
「よぉ、ストーカー。」
クスッと笑って神哉は言った。
「うっさいな!あたしはストーカーなんてしてません!あれはあの…あれだよ!学校までの道わかんなかったから、教えてもらうチャンスをうかがってただけよ!」
「そんで後つけてたんだ。」
「そっそうよ!」
「あ、後つけてたって認めた。」
「……………ッ!」
あたしは言葉を詰まらせる。
続いて神哉は言った。
「ていうか放課後、絶対来いよ。視聴覚室だからな。」
「ハァ!?何でよ!」
あたしは反論した。
「来ないとお前がストーカーだってバラすよ?」
神哉はまたクスッと笑って言った。
(こ、コイツ…!)
「…………ッ!し、しょうがないわね!行ってやるよ!」
あたしはたじろぎながらも、強気で返した。
神哉とそんなやりとりをしていると、ホームルームが終わって、短いけど休み時間になった。
クラスの女の子たちが話し掛けてくれた。
「あたし、日暮 椿姫(ヒグラシ ツバキ)!よろしく!椿姫って呼んで!」
サラサラで長い黒髪のかわいい女の子が最初に話し掛けてくれた。
「あたしもナカって呼んで!よろしく!」
「私、雛美 伽乃(ヒナミ カノ)。よろしくねぇ!伽乃でいいよ!私もナカって呼んでいい?」
次に話し掛けてくれた女の子は、茶髪でふわふわのショートヘアの、これまたかわいい女の子だった。
「もちろん!よろしくねぇ!」
女の子たちとそんな会話をしていると、英語の先生が入って来て、授業が始まった。
最初のコメントを投稿しよう!