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霜田先生は階段を登ると、右に曲がった奥から3番目あたりの教室で止まった。
「唯碕さんはここで待っててね。呼んだら入って。」霜田先生はそう言うと、先に教室に入っていった。
(うぁあ…緊張する…)
あたしは独り廊下に立って、呼ばれるのを待った。
教室から霜田先生の声が聞こえる。
「みんなー、席ついて。
始業式で聞いたと思うけど、今日から君たちの担任になった霜田尚哉です。よろしくお願いします。」
「さっそくだけど転入生がいます!」
先生の声に、クラスがざわめいた。
「先生ー!男子ですか女子ですかぁ?」
定番の質問(笑)
「女子だ!男子喜べ!けっこうかわいいぞ!」
男子全員から歓声が聞こえた。
(オイオイ霜田!なんてこと言ってんだ!)
あたしは独りつっこんだ。
「唯崎さ~ん!入ってきて!」
霜田先生が呼んだので、あたしは教室に入った。
男子からまた歓声が上がった。
「うぉっ!かわいいな!」
「唯碕さ~ん!こっち向いてぇ!」
男子達がそんなことを言っている。
あたしはそれをスルーして、教卓に立った。
「初めまして、唯碕那伽といいます。よろしくお願いします。」
あたしは簡単に自己紹介した。
「よろしく唯碕さん!」
「仲良くしよ~ね!」
女子からも話し掛けてくれた!
「うん!仲良くしてくださいっ!」
あたしがそう言った時、あることに気がついた。
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