眠れる塔の美形達

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「俺が適任と………レイチェルが………」 テュラがものすごく悲しそうに言う。 そりゃあ愛する奥方にキスしてこいと言われた日には悲しいだろう。 しかもその相手が同性だというのだから悲しみも倍増だ。 「そうか、レイチェル様はは星術者でしたね…」 あまりの悲しみように、憐れみの眼差しを向けるスナカゲ。 「そんなに落ち込まないでください。無理をして“好きでもない相手”にキスなんてしなくていいんですから。」 落ち込むテュラの肩に手をかけて、優しく微笑むスナカゲ。 うえっうえっ、友情とは良いものだなあ。 何が含むものがあるような気がするがきっと気のせいであろう、うん。 「そうだぞーテュラ。王子じゃないが魔法力だけならやたらあるし、俺が先にホーちゃんにキスしてみても」 ルトゥ。お前も友情を大切にするヤツだったとは意外だ。みくびっていたよ、ごめん。 「いえ、ルトゥ様がいくら力ある御方といえど、“王子”ではないですからね。もしかしたら双方危険な目にあうかもしれません。ここは、影の国の王子である私が適任でしょう」
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