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「嘘はよくない」
うむ、全く実にその通りである。人間、清廉潔白に生きるべきだ。
「チッ。―――そうですか…良い案だと思ったのですが。ふぅ、では別の方法を考えましょうね」
いま!いまお前っ、チッって言わなびくぅぅ!言わなかったな。
うん、もちろんたしかにそんなこと言わなかった!!
ガクガクブルブル
深くは言えない。ただ一つ、やつはハンターの目をしていた、とだけ伝えておこう。
「うーん、俺もやめたほういーと思うぞ?レイチェルのことだから嘘ついてもどうせバレるだろーし」
ルトゥが真面目なことを言っている。よほどレイチェルが怖いのだろうか。
「こくこくこく」
テュラがものすごい勢いで首をたてにふっている。
こくこくと口で言うぐらいなら喋ればいいんではないだろうか。
ともかく、レイチェルは怖い人らしい。
「ネコ、どんだけ怖いってオマエ、………サフィア姉様とおんなしくらい怖いんだぞ……」
ルトゥが遠い目をしている。
サ、サフィアと同じぐらいこわいとは………!!
そりゃあテュラも涙目になるハズだ。かわいそうに。
私は心底、テュラを同情したのだった。
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