眠れる塔の美人(BL)

7/8
前へ
/25ページ
次へ
しかし、18の誕生日を迎えても、彼女は呪いにかからなかった。 そんじょそこらの姫とサフィアを一緒にしてもらっては困る。 そんな知らない男なんかにキスなんぞされたくないわッ。 ホールドちゃんがかかればいいんじゃなぁい? 男なんだからキスのひとつやふたつ減るもんぢゃないでしょ ホォルドちゃん?可憐な美女であるあたしの唇がうばわれてもいぃってゆーのかしらぁ? にっこり。 こんな感じでことは運んだ。 有無を言わせない笑顔でだだをこね、ついには弟を送り込んだのだ。こわい。 魔女の呪いなんかより姉の方がよっぽど怖いと思ったのかどうだかはわからないが。 ともかくホールドはサフィアの身代わりになり、しっかりと呪いにかかり、眠りについて今にいたる。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

104人が本棚に入れています
本棚に追加