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口元をにやつかせ、
でもめもとは不機嫌そう。
せっかくの休みに勉強なんて
とでも思ってるんだろ。
「春日、なにやってんの?」
今のあたしの姿見てきくか、ふつう。
「バス待ってる。」
そっけないあたしの返事。
本当は嬉しくてたまらないくせに。
「遅刻じゃない?」
「ああ、うん」
弘樹は何か考えるように前を見た。
それからこっちを見た。
「のる?」
『ノル?』
弘樹の言葉が耳のあたりで
エコーした。
乗りたい・・だけど。
戸惑うあたしに弘樹はまた言う。
「のれば。俺は構わないし。」
「うん。」
あたしは飛び乗った。
弘樹の背中がこんなにも近い。
ぎゅっと抱きつきたかった。
だけれどあたしは
なるべく弘樹に触れないように、
自転車をおもくしないように
気をつけた。
だって弘樹には・・
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