~from KASUGA~        

4/35
前へ
/98ページ
次へ
「テストどうだった?」 「え・・」 あたしと弘樹は 小,中の頃から同級生。 親しくなったのは 中学1年の時、 初めて同じクラスになって 席が隣になったこと。 テストの点数などで 競い合ったりふざけあったり・・ いつのまにか 仲良しになっていた。 中学2年のクラスがえで、 そのやりとりはとだえたが 中学3年のとき、 運命かただの偶然か塾が一緒になり、席も隣でまた志望校も一緒で・・。 今に至る。 だからあたしは変わらず テストの点数を聞く弘樹が すごく嬉しかった。 「なに~悪かったの?」 風が強い。 「・・悪かったさ。」 あたしはぼそっと言った。 「俺さ~数学でめちゃくちゃ馬鹿やったさ。ケアレスが30点くらいあって。まあでも130いったからいいけど。」 「じゃあもっとよかったんじゃん。」 「そ、ちょっと悔しいんだよね。」 ケアレスは永戸の十八番だ。 中学のころからわめいてる。 変わってないんだ・・。 あたしの胸が きゅんと鳴った。 こんなに近い弘樹の背中。 強い風と一緒にほのかに香るシャンプーのにおい。 心臓の音が だんだん大きくなって 今にも飛び出しそう。
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加