コトの来た日

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コトの来た日

雪の降る寒い日。私の母が家への帰り道に向けた足に、にゃあにゃあと人懐っこく擦り寄って来た、小さくて痩せた猫が居た。 その行為は、連れていけと言っていたに違いない。 まだ名前はついていない猫は大人しかった。車に乗せても暴れなかった。やはり連れていけと言っていたに違いない。 我が家にはすでにミータロウという名の猫とモルという名の犬が一匹居たが、まだ名の無い猫は落ち着いていた。ミータロウは不機嫌だったが…それはさておき、その猫はたらふくミータロウと同じ餌を食べると、寝てしまった。 その晩、その猫は私の妹によってコトと名付けられた。
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